不動産を相続したらどうする?売る・貸す・住むの選択肢と税金をわかりやすく解説

親や祖父母から自宅や土地を相続したとき、「さて、この不動産どうしよう?」と悩む方はとても多いです。

選択肢は大きく3つ。売る・貸す・住む。どれが正解かは、あなたの状況次第です。ただし、それぞれに税金のルールがあり、タイミングを誤ると損をするケースもあります。

この記事では、難しい法律の話は抜きにして、「どの選択肢が自分に向いているか」「税金でどんなことに気をつければいいか」をわかりやすくお伝えします。

3つの選択肢、どれを選ぶ?

売る場合——まとまった現金が入り、維持費の心配がなくなります。遠くに住んでいて管理が難しい場合や、資金が必要な場合に向いています。ただし、売却益には税金(譲渡所得税)がかかるので、タイミングと特例の活用が重要です。

貸す場合——毎月の家賃収入が得られます。「今すぐ売りたくないが空き家にもしたくない」という方に向いています。入居者を探したり、修繕の手間がかかりますが、将来売る選択肢も残せます。

住む場合——引越し費用くらいでそのまま住めるのが魅力です。実家の近くに住みたい場合や、今の家賃を節約したい場合に向いています。ただし、固定資産税や維持費は毎年かかります。

売った場合の税金——知っておきたい2つの特例

不動産を売ったときにかかる税金を「譲渡所得税」といいます。売った金額から取得費・売却費用を引いた利益に対して課税されます。

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用(仲介手数料など)
税率:所有5年超(長期)→ 約20%  所有5年以下(短期)→ 約39%

相続した不動産はほとんどの場合「長期(5年超)」扱い
所有期間は「被相続人(亡くなった方)が取得した日」からカウントします。そのため、相続後すぐに売却しても、被相続人が何十年も前に買った土地であれば「長期譲渡所得(税率約20%)」が適用されることがほとんどです。

使える特例①:相続空き家の3,000万円特別控除

被相続人が一人暮らしをしていた自宅を相続し、相続後3年以内に売却した場合、売却益から最大3,000万円を控除できる特例があります。

適用には「一定の耐震基準を満たすこと」「売却前に空き家であること」などの条件があります。詳しくは専門家に確認しましょう。

使える特例②:取得費加算の特例

相続税を支払った場合、相続開始から3年10ヶ月以内に売却すると、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。これにより課税される利益を減らせます。相続税を払っていて、早めに売却を検討している方は必ず確認を。

どちらの特例も「3年以内」という期限がある点に注意!
「相続したあと、どうするか迷っているうちに3年が過ぎてしまった」というケースが非常に多いです。特例が使えるかどうかは早めに確認しましょう。

貸す・住むを比べてみよう

貸す(賃貸に出す)

住む(自分で使う)

お金の面

家賃収入が入る(所得税の対象)

収入はないが家賃を節約できる

手間・コスト

入居者管理・修繕費が必要

維持費・固定資産税が必要

将来の選択肢

売却の選択肢を残せる

売却・賃貸に変更も可能

こんな人に向く

収入が欲しい・遠方に住んでいる

近くに住みたい・引越し費用を抑えたい

賃貸に出した場合の税金

家賃収入は「不動産所得」として毎年の確定申告が必要です。ただし、修繕費・管理費・固定資産税・減価償却費などを経費として計上できるため、実際の税負担は思ったより少ないケースも多くあります。

一番やってはいけないこと——空き家放置

「どうするか決められないから、とりあえずそのままにしておこう」——これが一番避けたい選択です。空き家にしてしまうと、次のような問題が起きる可能性があります。

  • 固定資産税が最大6倍になることがある——自治体から「特定空き家」に指定されると、住宅用地の税の軽減措置が外れて固定資産税が大幅に増える可能性があります
  • 建物の傷みが急速に進む——人が住まない家は老朽化が早く、雨漏り・シロアリ・カビなどで修繕費がかさみます
  • 近隣への責任が発生する——草木の繁茂・外壁の崩落・不法投棄など、管理責任は所有者にあります
  • 売却しにくくなる——放置期間が長いほど建物の価値が下がり、買い手がつきにくくなります

相続したらまず「どうするか」を早めに決める
「とりあえずそのまま」は時間が経つほど選択肢が減っていきます。売却特例の3年という期限もあります。相続が発生したら、できるだけ早めに専門家に相談して方針を決めることをおすすめします。

どの選択肢が得かは「計算してみないとわからない」

「売った方が得か、貸した方が得か」は、不動産の立地・築年数・市場価格・あなたの税務状況によって大きく異なります。たとえば——

  • 駅に近い都市部の物件 → 賃貸需要があり、貸す選択肢も有力
  • 地方の築古物件 → 賃貸需要が低く、早めに売却した方がよいケースも
  • 相続税を払っている場合 → 3年10ヶ月以内の売却で税負担を減らせる可能性

また、不動産の「相続税評価額」と「実際に売れる価格(時価)」が大きく異なる場合もあります。場合によっては、鑑定評価を使って相続税評価額を下げることで、手元に残るお金が増えることがあります。

まとめ

  • 不動産を相続したら「売る・貸す・住む」の3択を早めに検討する
  • 売る場合は「3年以内の特例」が使えるかどうかを確認
  • 貸す場合は家賃収入が所得税の対象になるが、経費計上で税負担を減らせる
  • 住む場合は固定資産税・維持費が毎年かかることを念頭に
  • 空き家放置は税金・コスト・責任の面で一番リスクが高い
  • どれが得かは個別計算が必要。早めに専門家に相談を

「相続した不動産をどうすべきか迷っている」「売った場合の税金を計算してほしい」という方は、初回相談無料でお気軽にご相談ください。不動産鑑定士・税理士が一緒に最適な選択肢をご提案します。

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